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将棋は必ず決着がつくわけではなく、引き分けになるケースもあります。
双方が同じ駒を、同じ手順で繰り返し指し、いつまでも局面が動かない。これを「千日手」と呼び、引き分けになります。具体例を見てみましょう。
先手は相手の飛車がいない位置から攻めたいと考えました(A図)。そして2八飛と指しました。すると後手もこれに対抗して、2二飛と指しました(B図)。
先手は再び、相手の飛車がいない位置から攻めるため、元いた8八に戻しました。すると後手も同じように元いた8二に戻しました(A図)。
お互いこのように動かすのが一番いい手なのですが、そのため同じ手順の繰り返しとなり、勝負がつかなくなります。具体的には「4回繰り返して同じ局面になった」ときに千日手となります。
千日手はいわば無勝負なので厳密に言えば引き分けではありません。
将棋の駒は基本的に前に進むようにできています。そのため、図のように相手玉が自分の陣地に入り込むようなことになると、詰ますのがほとんど不可能になってしまいます。
このように互いの王様を詰ます見込みがなくなった場合は「持将棋」という引き分けになります。
プロの将棋ではもう少し細かいルールが決められていますが、アマチュアはどっちの王様も詰みそうにないと判断した時点で「引き分けでどうですか?」と持ちかけてかまわないでしょう。
引き分けになった場合は、先手と後手を入れ替えて最初から指し直しになります。
プロの公式戦の場合、互いに詰ませる見込みがなくなった時点で駒を数えます。
玉を除いた駒(盤上・持ち駒とも)のうち、飛車と角を5点、その他の駒を1点とし、両者とも24点以上あれば引き分けで再試合。24点に満たなければ負けとなります。
アマチュアの大会では「27点法」を採用。上記の計算で27点以上あるほうが勝ち。同点の場合は後手が勝ちとする場合もあります。
さらに、宣言法というルールを採用している大会もあります。概要は以下のとおりです。
宣言しようとする側の手番で手を指さずに「宣言します」と伝えます。
時計を止めて対局を停止させその時の局面が、次の条件をすべて満たしていれば宣言した側が勝ちとなる。
条件1 | 宣言側の玉が、敵陣三段目以内に入っている。 |
---|---|
条件2 |
宣言側に以下の持点がある。 |
条件3 | 相手側の三段目以内の駒が、玉を除いて10枚以上ある。 |
条件4 |
持ち時間が残っている。 |
条件5 | 宣言側の玉に王手がかかっていない。 |
上記条件が一つでも抜けていた場合は、宣言した方が負けとなります。
もちろん、宣言する前に、どちらか片方が投了することは可能です。
最近は将棋がテレビニュースで流れることが多いですが、負けた側が「負けました」と言っているのを耳にしたことがある人も多いと思います。まず、自分の王様がどこにも逃げられなくなる――詰まされると、その時点で決着です。
もうひとつは、もう勝ち目がないと思った時点で無駄に勝負を引き延ばさず、負けを認めることができます。これは逆に言うと、どんなに優勢に立っていても一方的に勝利宣言をすることはできないということです。
この2つが将棋における基本的な決着のつけ方になります。負けた側は、はっきりと「負けました」や「参りました」と言わなければなりません。悔しいからと無言で席を立つようなことは、マナー違反だと言われてしまいます。
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