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将棋の戦法には大きく分けて2種類あります。飛車を元の位置から動かさないで戦う「居飛車」と、中央より左に振って(動かして)戦う「振り飛車」です。
図は先手が居飛車、後手が振り飛車です。このようにどちらか一方が居飛車で、もう一方が振り飛車の場合は「対抗型」と呼ばれます。
両方とも居飛車なら「相居飛車」で、両方とも振り飛車なら「相振り飛車」です。まずは居飛車と振り飛車、どちらを選んで戦うのかを決めることになります。
こちらのほうが強いというのはまったく決まっていません。完全に自分の好みやそのときの気分で選ぶのがよいでしょう。もちろんどちらかに集中して勉強したほうが上達は早いです。
ちなみに居飛車を好む人は「居飛車党」、振り飛車を好む人は「振り飛車党」などといいます。
以下が代表的な居飛車戦法です。実際はこれらを元に、より細かく派生していきますが、まずは基本的な形を覚えてみましょう。
居飛車戦法の中でも、もっともシンプルで覚えやすいとされるのが「棒銀」です。右の銀を飛車の前に、棒のように真っ直ぐ繰り出していくことからこの名が付いています。初心者はまずこれを覚えようと、よく言われています。
互いに飛車の先の歩を伸ばしていく戦法が「相掛かり」です。これも比較的覚えやすく、最初に覚えるにはおすすめの戦法です。
図は7七に上がっていた先手の角を、後手が自分の角で取った局面です。このあと先手は、銀で角を取り返します。このように序盤で角を交換して互いに手駒にしておく戦法が「角換わり」です。角は強力な駒なので、どのタイミングで盤上に投入すればいいか考える楽しみがあります。
図は先手の手番で、飛車で3四にある歩を取れる形です。横にある歩を取ることから「横歩取り」と呼ばれる戦法です。お互いの角と飛車が素通しになっており、序盤から激しい戦いになりやすいため、初心者のうちはあまりおすすめできません。
右から見て4筋目に飛車を据える「右四間飛車」です。飛車を振るのですが、これは居飛車に分類されます。
振り飛車は居飛車よりも初心者向けと言われています。というのも飛車を1回動かしただけで、基本的な戦い方が決まるからです。飛車を振る位置は4つあります。
左から見て4筋目に飛車を振ります。振り飛車の中でも一番スタンダードな戦法です。
左から見て3筋目に飛車を振ります。四間飛車とひとつ違うだけですが、指し方はガラッと変わってきます。
真ん中に飛車を振ります。相手玉に直通する位置なので、振り飛車の中でも一番攻撃的です。
互いの飛車を向かい合わせるように飛車を振ります。どちらの飛車が相手陣を突破できるかという、緊張感のある戦法です。
以上の基本的な戦法に加えて「囲い」を覚える必要があります。これは自分の王様をどのような形で守るかというものです。代表的な囲いには以下のようなものがあります。
建物の櫓(やぐら)に見立てた囲いで、上部からの攻めに強いです。主に居飛車で用いられますが、振り飛車でも反転させた形にすれば可能です。
振り飛車でもっとも用いられる囲いです。横からの攻めに強く、また手数がかからないのが特徴で、初心者はまずこの囲いを覚えるのがいいでしょう。居飛車でも反転させた形にすれば可能です。その名称の由来は、美濃国の城に見立てて名付けられたという説や、美濃国出身の人によって考案されたという説があります。
王様が船に乗っているように見える、居飛車用の囲いです。相手が振り飛車の場合に用います。手数はかかりませんが、守備力はさほどありません。
王様の上に銀が乗っかる形の囲いです。まず美濃囲いに組んでから、銀冠へと発展させるケースが多いです。居飛車でも振り飛車でも用いられ、上部からの攻めには非常に強いです。
王様が一番隅に潜り込み、周囲を金銀でガッチリと固める、最強の守備力を誇る囲いです。それだけにもっとも手数がかかるので、初心者が使いこなすのは難しいでしょう。
居飛車か振り飛車か。どの戦法で戦うか。どの囲いで玉を守るか。この3つの要素が、将棋を指す上での基本になります。
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