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将棋は玉を詰まし、玉を守るゲーム

王将

 

将棋は相手の王様を取る――正確には行き場所をなくす「詰み」の形に持っていくのが目的のゲームです。同時に、自分の王様が詰まされないように守るのも大事になります。

 

将棋の歴史は何百年と続いていますが、この攻めと守りの駆け引きには、まさに無限の可能性があるということです。

 

さて、王様には「王将」と「玉将」の2種類があります。当初は玉将しかなかったのが、いつしか王将が加えられるようになったといいます。この2種類があるため、王と表記したり玉と表記したりしますが、違いはありません。

 

実際の対局では、段級位などで上の人が王将を、下の人が玉将を持つのが慣例です。初めて将棋道場に行く人は、覚えておいたほうがいいでしょう。

 

居玉は避けよ

居玉は避けよ

 

将棋の序盤は、何よりも王様を安全地帯に移すことからスタートします。

 

先手が振り飛車、後手が居飛車ですが、双方ともに早い段階で王様を動かしています。ここから囲いを作って、自玉の安全をしっかり確保してから攻めるのが基本的な流れです。

 

もちろん動かさないまま攻めることもできるのですが、攻められたときの危険度が大幅に上がります。「居玉は避けよ」という格言があるのですが、これは初心者が何より守るべき格言のひとつと言えます。

 

玉の早逃げ八手の得

まずはこの図をご覧ください。 

 

玉の早逃げ八手の得

 

後手の手番だったら△9八金と打たれて、もう一枚持ち駒に金があるため必至(次にどうしても詰まされる状態)になります。

 

しかし先手の手番であればどうでしょうか?

 

玉の早逃げ八手の得2

 

金を打たれる前に、△8八玉と移動します。これでもう捕まることはありません。

 

実戦でも、王手や必至をかけられる前に早逃げしておくと、完全に相手の攻めを振り切れるケースは結構多いです。「玉の早逃げ八手の得」と言うのですが、本当に八手分も得することはないにせよ、相当に効果的な手ということは確かでしょう。

 

意外に強い玉の守備力

王将は全方向に一マス動くことができます。つまり単純に考えれば、守りの要とされる金将よりも、さらに守備力が高いことになります。

 

意外に強い玉の守備力

 

図は2012年に行われたタイトル戦、王将戦の局面図です。久保利明王将に挑戦した佐藤康光九段の、驚愕の▲5七玉! 飛車で歩を取られないための一手とはいえ、いかにもアンバランスで危険に見えますよね。しかし後手のほうも、ここからすぐに攻めるのは難しくなっているのです。

 

このように玉自ら前方の駒を支えることを「顔面受け」と言ったりします。中盤や終盤では、王様自身の守備力で均衡を保てることも少なくないのです。

 

中段玉は寄せにくし

中段玉は寄せにくし

 

全方向に動ける王様は、一直線に攻めてもそう簡単には捕まりません。そして追いかけ続けているうちに、自陣を飛び出して中段に躍り出ることがあります。

 

先手が攻め続けたのですが、上手い具合に逃げられてしまったという典型的な図です。先手は持ち駒もなく、これ以上は後手玉を攻めることができそうにありません。

 

中段まで来ると、敵陣に近づいているから危ないかと思いきや、実は安全ということが多いのです。「中段玉は寄せにくし」という格言があり、ピンチになっても相手が攻め間違えてくれれば、このように逃げられるケースは珍しくありません。

 

入玉すれば安全勝ちできる

入玉すれば安全勝ちできる

 

中段よりもさらに先、つまり相手陣に玉を突入させることもできます。

 

相手陣に玉を進めることを「入玉」と言います。図では後手が後ろから龍と馬で迫ろうとしていますが、多くの駒に守られている先手玉を詰ますことは困難な状態です。

 

このように入玉に成功すれば、よほどのミスをしないかぎり、まず負けることはなくなります。相手のほうが投了してくれる可能性が高いですし、なおも粘り強く指してきたら、こちらもと金を作ったり持ち駒を打ったりしてさらに守りを固め、とことん安全勝ちを目指しましょう。

 

相入玉で引き分けに

相入玉で引き分けに

 

先ほどの図のように入玉されてしまったら、攻めて勝つことは難しくなるので、自分自身も入玉する以外に勝つ方法はありません。そして双方ともに入玉した場合を「相入玉」と言います。

 

これは部分図ですが、両方ともガチガチに守られて、もはや詰ますことができません。相入玉になった場合、どのように決着をつけるかというと、玉を除いた駒(盤上の駒と持ち駒)で点数勝負をするのです。

 

飛車と角を5点、その他の駒を1点として、両者とも24点以上あれば引き分けになり、24点に満たないほうが負けとなります。

 

相入玉のルールはプロとアマチュアで違っており、アマチュアでも大会によって異なるルールが設けられている場合があるのですが、ひとまず点数の数え方だけは覚えておくのがいいでしょう。

 

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